断水でトイレにお困りの方へ。水を使わないトイレの方法についてまとめました。※断水はしてないが「停電でトイレが流せない」という方への情報も追記しました。(最終更新日 2022年6月30日)
断水したら水洗トイレが使えない
断水したら水洗トイレが使えません。そのときどうすればいいか、方法は大きく分けて3つあります。
バケツで水を流す
文字通り、用を足したあと、バケツなどに水を汲んで便器へ水を入れて汚物を流す方法です。
どうやって流せばいい?
バケツに水を4~6リットルを汲み、便器(便鉢)の中に流します。コツは「一気に、静かに」。勢いをつけるのは逆効果です。ゆっくりでは洗浄に必要な「サイホン現象」を起こすことはできません。
少量でも効果がないので、ペットボトルから直に水を注ぐ方法では、汚物や紙を流すことはできません。
意外と重労働。他にも水は使わなければならず貴重
やってみるとわかりますが、意外と重労働です。「トイレって、こんなに水を使うんだ」と驚きます。他にも水を使わなければならないのに……と思います。
流してはいけない場合がある
下水道が被災している場合、トイレを水で流すことができません。
下水道の被災は、終末処理場の損壊、道路内のパイプの破損、液状化によるマンホールの浮き上がり、パイプのつまりなど、さまざまな原因が想定されます。
また建物や敷地内で排水管が破損、あるいはつまっている場合もあります。
流すのを控えた方がよいときとは?
次のような場合は、トイレにバケツで水を流すことを控えましょう。
- 自治体から「流さないで欲しい」という連絡や広報があったとき
- バケツで流した際、違和感(音や流れ方など、いつもと違う感じ)があったとき
- 浄化槽を使用している場合で、浄化槽が破損し、または傾くなど通常使用できないとき
流せないのに、流したらどうなる?
- 道路のマンホールから汚水があふれる。
- パイプの中に排水がつまり、復旧により時間がかかるようになる。
- 敷地内の場合、修理費用が高くなる。
などのことが想定されます。
タンクに水を入れる場合も要注意
トイレのタンクに水を入れる場合は、以下のリスクをご理解ください。
タンクの容量だけでは水量不足
通常は、洗浄が始まってから自動で補給される水も洗浄に使われます。
そのためタンクに入れて流すだけでは水量不足となり、つまりの原因になります。
残り湯など汚れた水は故障の元
トイレの内部は細かいつくりになっています。小さなゴミも水漏れや止水不良(水が止まらなくなる)原因になります。
故障した場合、修理にも取替にも多額の費用がかかるため、要注意です。
携帯・簡易トイレ(水気を吸わせきって、ごみに出す)
災害時には水気を吸わせきれば、排せつ物をごみに出すことができます。
携帯・簡易トイレは、どんな状況でもできる断水時の排せつの唯一の切り札です。
水が出る地域のトイレに行く
断水が広範囲に及ばず、局所的である場合に有効な方法です。少し離れたところに行けばトイレが使える場所があります。
局所的な断水って、どんなの?
広範囲ではなく局所的とは、どんな断水でしょうか。
停電中のマンション
停電を原因とする断水の場合には局所的になります。特にマンションや施設など、貯水槽に水を溜め電動ポンプにより給水している建物の場合、停電によるポンプが動かず水を送ることができません。
道路の水道管(配水管といいます)が断水していない場合、配水管に直結して給水されている建物は断水していないので、トイレも使用できる可能性が高いです。
配水系統が複数ある
近い地域でもあっても、道路の水道管(配水管)の系統が分かれている場合があります。その際は極端な場合、目と鼻の先ほどの近所であっても「ウチはでないけど、お隣さんは水が出る」ということもあり得ます。
情報収集が大切です。
選択肢をひろく持つことが、生き抜く力
断水時のトイレの使い方を紹介しました。大切なのは「この方法だけ」と限定しないことです。「うんちは水で流すけど、おしっこは吸わせきってごみに出す」など、選択肢をひろく持ち、その時の状況に合わせて柔軟に「選べる」のだということを忘れないでください。
「停電でトイレが流せない!」という方へ
タンクレストイレなど「リモコン操作で流すトイレ」をご使用で、断水はしていないが「トイレが流せない」とお困りの方へ。
安心してください。タンクレストイレや「リモコン操作で流すトイレ」は停電でも使えます。各社のホームページの情報を参照してください。