商業施設で実施する初めての携帯トイレトレーニングである「トイレとワンコのそなえ体験 in アピタ美濃加茂」の報告です。
目次
雨と風の中、2日間で168名が携帯トイレトレーニングを体験
2018年4月14日(土)、15日(日)、アピタ美濃加茂店で開催した携帯トイレトレーニングに、悪天候にもかかわらず2日間で168名が参加しました。2017年1月からの携帯トイレトレーニングの累計体験者数は4,193人になりました。
居並ぶ便器に子どもは大ウケ!興味を惹かれて参加
「水を使わないトイレ体験」という”のぼり”と、テントの中に置かれた10台の便器。非日常なその光景に、子どもたちは大ウケ。大人も「何ですかこれは?」と興味を惹かれてたずねてきます。
トイレのそなえ体験の流れ
地震のときなど「断水」でトイレが使えないときのための練習をしませんか?
戸惑いながらも「大切なこと」と思い参加されるお客様。
- 地震などで断水になると、水洗トイレが使えない
- トイレはガマンできない
- 仮設トイレなどはすぐに来ないので期待できない
これらを伝えると、徐々に意味を理解し始め、体験に集中してくるのがわかります。
袋の中にうんちやおしっこをして、凝固剤で固める
断水のとき、すぐに役立つトイレとして携帯トイレを紹介します。携帯トイレを知っていても中身を見たことがない人がほとんど。そこで袋と凝固剤を取り出して「これが入っています」と丁寧に説明しました。
凝固剤を入れたコップに水をそそぎ固まる様子を目の前で見せると、一瞬のできごとに大人も子どもも目を丸くして驚いていました。
袋の被せ方、片付け方を練習
実物の便器を使い、袋の被せ方を参加者自ら手を動かして体験しました。
一番の体験は座ること、イメージすること
袋を被せ、凝固剤を入れた状態で便器に座ってもらいます(パンツは下ろしません)。目的はいざというときの気持ちを体感すること。「今から袋の中におしっこするんだ」とイメージすると多くの人が不安な気持ちになり”ゾワゾワ”します。
本当に断水したとき、ためらっている暇はありません。覚悟を決めて用を足すため、この気持ちを乗り越えなければなりません。それを知ってもらうことが携帯トイレトレーニングの最も大切な目的なのです。
参加者は備えを体得!主催者は可能性を実感!
「体験をすることで納得、体得することができました」
参加された方から頂いた感想です。
頭では理解していたつもりですが、体験をすることで納得、体得することができました。 より多くの方に知ってもらいたい!という思いが強くなりました。
体験にこだわって活動を続けています。この言葉から、あらためて勇気とエネルギーをもらいました。
商業施設という”公共の場”ならではの出会い
168名の中には、様々な方がいらっしゃいました。
- 文化振興事業団の職員で、地域交流センターの責任者を務める女性(上記の感想の方)
- 大草原でトイレに困るモンゴルへの渡航が多く「これはいい!」と喜んだ夫婦
- 地震時にトイレが使えない理由を「だんすい」と答えて驚かせた未就学児とその親
- 新聞記事でイベントを知って駆けつけた隣県である愛知の住民
- 実際に体験するために来店した3月のセミナーの参加者(美濃加茂市長はじめ多数)
多くの方との出会いを通して「携帯トイレトレーニングを商業施設で実施すること」の”可能性”と”価値”を、雨と強風の中、季節外れの寒さと戦いながらも、美濃加茂の地であらためて実感した熱い、熱い2日間でした。
携帯トイレトレーニング概要
天候の影響もあり、参加人数は残念ながら予想を下回る結果でした。参加者の反応と感想からは、相変わらず満足度の高さを感じることができました。初めての商業施設での実施から得られた気づきと課題を今後に活かしたいと思います。
- 日時:2018年4月14日(土)、15日(日) 10時~17時
- 場所:アピタ美濃加茂店 駐車場特設テント 美濃加茂市野笹町2-5-65
- 参加者:168名(14日88名/15日80名)
- トレーナー:3~5名(受付、景品引換係含む)
- 使用便器:11個(トレーナー用便器1個含む)
- 主催者:アピタ美濃加茂店、減災チーム・トイレの備え
- 共催者:犬育応援プロジェクト ワンコミ
- 後援:美濃加茂市、美濃加茂市教育委員会、美濃加茂市社会福祉協議会
- 補足:
- 景品のお菓子はアピタ美濃加茂店から提供
- トレーニング用便器を10個用意したが、同時に使われたのは最大で7個だった
- マイクとモニターを初めて使用。会場の状況に対して効果的だった
- ペット防災体験との併催は、トイレとペットそれぞれに興味が分かれることもあり、流れでの他方への参加につながる相互に効果的な結果を生んだ
ワンコのそなえ体験
3月のセミナーと同じく犬育応援プロジェクト ワンコミさんとの共催として今回のイベントを行いました。こちらも体験にこだわり、飼い主もそうでない方も知識と技能を備えて頂ける機会になりました。
クレート体験
ワンコふれあいコミュニケーション
運営上の工夫
マイク、モニターを使用
屋外テント内での実施、一回の参加者が多数になることに備えて、ワイヤレスマイクに加え、今回初めてモニターを用意しました。
モニターには携帯トイレトレーニングの内容に合わせてPowerPointで作成した説明用のスライドを表示させ、進行に合わせた内容が参加者から見えるようにしました。また電源が確保できなかったため、AC100Vを出力できるポータブルバッテリーを、こちらも初めて投入し、無事運用することができました。
設備関係は、全般的に効果的な検証になりました。
参加者への配布物
参加者には、参加特典を体験終了後に配布しました。
- お菓子(アピタ美濃加茂店提供)
- 携帯トイレ(株式会社総合サービス提供)
- 携帯トイレ(株式会社エクセルシア提供)
- 防臭袋(クリロン化成株式会社提供)
- ペット非常用トイレ
携帯トイレは、備蓄用ではなく帰宅後に実際に用を足す体験をしてもらうために渡しています。メーカー各社の無償提供により、体験がより効果的なものになります。
運営上の工夫や試行錯誤についての情報をメールにて配信しています
携帯トイレトレーニングは、だれでも簡単にできます
「水を使わないトイレの使い方体験をすべての人に」を合い言葉に減災チーム・トイレの備えは活動を続けています。
携帯トイレトレーニングはだれでも簡単に、今すぐにでもできます。自分のための「プライベートスタイル」からみんなのための「コミュニティスタイル」まで、そのやり方をすべて公開しています。ぜひ取り組んでみてください。あなたのチャレンジを減災チーム・トイレの備えが全力でサポートします。