バケツの水でトイレを流すトレーニング | 減災チーム・トイレの備え

バケツの水でトイレを流すトレーニング

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トイレバケツ洗浄

減災チーム・トイレの備え、代表の長谷川高士です。

2015年7月15日に「災害時トイレバケツ洗浄体験会」を愛知県岡崎市のTOTO岡崎ショールーム(小杉孝典所長)にて行いました。TOTOさん全面協力のもと、ショールームのスタッフさんを含む18名の方にご参加頂きました。

参加者からは「勉強になった、ためになった」と大満足の声

災害時に断水した際、「バケツの水でトイレを流さなければならない」となんとなくは聞いたことがあっても、実際にやったことは一度もない。そんな気づきから今回の体験会を思いつき、実施に至りました。結果は、大成功。まずは参加者の声をご紹介します。

「心に残る練習会」だったと思います。体験した方が、友人知人等に話をして興味を持ち、また当方が仕掛ける「練習会」に参加して……を繰り返す。「バケツで洗浄できる」「携帯トイレのビニールは2重」の知識が多くの人に認知されることで、いざという時にリーダーになれる。当社のような人間は、特に知っておかないといけないですね。

――TOTO岡崎営業所所長 小杉孝典さん

聴くのとやるのでは大きく違う。いざバケツを持って便器の前に立ってみるとどうしていいかわからなった。バケツ洗浄には技術がある。流し方であんなに違うものかということもよくわかった。一度やっておけばいざという時に力になると思います。

――地元工務店さん 

こんなに為になるイベントならば、もっと多くの人をお誘いすればよかったです。

――防災活動ボランティアさん

ゲーム性があってとても楽しく勉強できました。これでお客様に自信をもって説明できます。

――ショールームアドバイザーさん

体験会はこんな風に進めました ―意識を高める3つの工夫―

まずはトイレの備えの重要性を説明

バケツ洗浄体験前セミナー

体験会は、座学と実践の2部構成で行いました。

前半の座学では、災害時トイレ衛生管理講習会などで学んだ知識をもとに、災害時のトイレ問題と、「トイレの備え」がいかに大切であるかを説明し、参加者に学んで頂きました。

「何のためにやるのか」という目的を理解することは成果に大きな影響を与えます。できるだけ短くすることに意識をおきましたが、伝えるべきことをしっかりとお伝えしました。

ゲーム性を取り入れ、参加者のやる気を促す

トイレバケツ洗浄

後半はいよいよ実践です。前半の座学では、あえて「流し方」の説明は一切しませんでした。「どうすれば流すことができるか」ということ参加者自身で考えて頂きました。

さらに参加者のやる気を促すためにゲーム性を取り入れました。

  • チーム対抗
  • より少ない水量で流すことを競う

このゲーム感覚が予想以上に功を奏し「どうしたら上手く流せるか」ということを一人ひとりが真剣に考えて実践していました。

ゲームの肝である水量の計り方にも一工夫

2リットル計量カップ

水量の計り方ですが、2リットルの計量カップを使用しました。バケツに同じ量の水を入れて流し、疑似汚物が便器から排出させます。その時残っているバケツの水を計量カップに移します。その量が多いほど、より少ない水量で流すことができたことになります。

この「より多く残す」という視点にゲームのポイントをおいたことが、盛り上がり生む強い刺激になりました。水が貴重な災害時においても、より少ない水量で流せることはとても重要です。その点からもこの方法は評価できると自負しています。

トイレバケツ洗浄のコツ、わかりました

※いち早く「バケツ洗浄のコツ」が知りたい方は、下の動画(4分30秒)をご覧ください。

「勢い」も「高さ」も不要

参加者の皆さんは、それぞれに工夫を凝らして、バケツの水でトイレを流そうチャレンジしました。あたかも水を便器にぶつけるがごとく「勢い」をつけて流す、バケツを高々と上にあげて、重力を活かそうとする、など。

ところが、それらはいずれも不正解。使用する水量の割に、(疑似)汚物を流し切ることはできませんでした。

大切なのは「狙う場所」「角度」、そして「やさしく」

少ない水量でしっかりと流す。これを実現するための肝は、既にたまっている水をいかに早く増水させるか、ということです。便器の中の汚水の通り道が満水になれば、サイホン現象は自然に起こります――というか、そうなるように作られているのがサイホン便器なのです。

コツは3つ。「狙う場所」「角度」そして「やさしく」です。

狙う場所は、便器にたまっている水です。ピンポイントで言えば、たまっている水の「奥の一番深いところ」です。角度は、便鉢の手前から奥へ下がっていく「谷」の角度と言えば通じるでしょうか。そして「やさしく」です。繰り返しますが、素早く満水状態まで増水することが目的です。すでにたまっているところに勢いよく水を落とせば、水面が波打ち、空気が混入し、返ってサイホン現象の妨げすらなるのです。

2.5~3リットルで流すことができた

体験会の結果、上手くやれば2.5~3リットル程度の水で流すことができました。詳しくはこちらの動画をご覧ください。

トイレットペーパーは、流さない

意外ですが、汚物よりもトイレットペーパーの方が流すために多くの水を必要とします。災害時において、水は貴重な資源です。トイレをできるだけ少量の水で流すためには、使用したトイレットペーパーを便器には流さず、分別して処理することが効果的です。家庭や避難所でルール化するなど、災害時のトイレについて覚えておきたいことの1つです。

訓練から“練習”へ。日頃の小さな積み重ねがいざという時に力になる

訓練は苦手です

私は防災訓練が苦手です。

「大切な休日の午前をまるまる奪われ、残暑厳しい9月初旬に“訓練”だなんて、ホントに勘弁して欲しい」と思う自分がいます。でも備えることが大切なことも十分理解しています。どうしたらいいのか。そんな私にヒントを与えてくれたエピソードがあります。

大切なことは、やっぱりディズニーが教えてくれた

東日本大震災の発災時、東京ディズニーランドの対応が後に高い評価を受けました。ディズニーランドは、もともと接客教育が行き届いていることで有名です。これもその一つか、と思っていたら、予想もしないことがその理由でした。

なんとディズニーランドでは「建物ごとに計画された年間約160回」の小さな訓練を行い続けているというのです。ほぼ2日1回のペース。すごいと思いました。

東京ディズニーランド、東京ディズニーシーでは、地震などの災害やその他の非常事態が発生した場合に迅速な対応ができるよう、従業員が取るべき措置手順をマニュアル化するとともに、区画を分けた年4回の総合防災訓練、建物ごとに計画された年間約160回の訓練により、マニュアル内容の周知徹底を図っています。

出典:東京ディズニーリゾートの警備・救護・防災

集まった時に、ついでに「練習」を

それ以来、私は「訓練」という言葉を「練習」と言い換え、

みんなで練習をしましょう

と呼びかけています。

防災トイレは「慣れている」ことが大きな力の一つです。訓練のために集まるのではなく、集まった時についでに「練習」する。そんな小さな練習のやり方を、今後も考え、実践のお手伝いをしていきたいと思います。

お問い合せ

減災チーム・トイレの備えへのお問い合せ、各種ご依頼は専用フォームからお願いします。

 

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